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「イチゴミルク ビターデイズ」壁井ユカコ

「イチゴミルクビターデイズ」
壁井 ユカコ
メディアワークス
2007-09
勝手に評価:★★★★☆

 甘くて、苦くて、眩しい、あの日のまま。そんな夢みたいなこと、あるわけない。
 ごく平凡な8畳ワンルームがわたしのお城。携帯ゲーム機の中で飼っている柴犬が同居人。しがないOL3年目。先輩のお小言と香水の悪臭を毎日食らい、人員整理によりリストラ寸前。腐れ縁の元カレがときどき生活費を無心にやってくる。これが憧れと希望を胸に地方から上京してきたわたしの東京生活の、なれの果て。
 そんなある日、高校時代の親友であり魔性の美少女であり、“強盗殺人犯”――鞠子が、3千万の札束と紫色のちっちゃい下着をトランクに詰めてわたしのマンションに転がり込んできた。17歳の“わたし”と24歳の“わたし”の日々が交錯する、青春のビフォー&アフターストーリー。(本の帯より)

段組なし、字の大きさも普通の215ページの単行本小説です。読んだ感じも長くなく、重くなく。事件が起こるわけでもなく、大恋愛があるわけでもなく(いや、少しはあるか?)な平凡な少女時代と大人になってからの物語です。

でも、好きです、こういうお話。平凡で単調な日々の中で、たくさんのことを諦めて大人になって…それでも諦められないコトがあったり、離れられない人がいたり。私は好きだなぁと思いますし、素敵だなぁとも思います。

主人公の千種いづみがOL3年目のある日に、高校時代の親友・古池鞠子と出会い、腐れ縁の都丸一志とも続きながら、次第に高校時代の思い出に耽って、ほんの少しだけ元気になる…そんなお話です。

高校時代の千種の一途さや純粋さ、怖いもの無さは、共感できました。信じやすくて、依存しやすくて、可愛げがある年頃だよなぁと思いました。対する24歳の千種は、疑いやすくて、そんなに簡単には騙されなくて冷静で、諦めやすい大人。高校時代を思い出しては色んなものを失ってきたし、諦めてきたなぁと溜息の日々。

しかし、彼女に寄ってく鞠子と一志は高校時代と変わらないまま。わがままで自己中心的で、夢を見続ける二人。振り回されて、平凡で平和だった千種の日常が少しずつ非日常になっていきます。

私だったらかなり迷惑で、特に都丸との腐れ縁を断ち切って、他の素敵な人と寿退社したいだろうなぁと思います。が、大人なようで都丸に引き摺られ、鞠子に振り回されることを待っている、それを楽しんでいる千種は可愛いし、ちょっと羨ましいなぁと思ってしまいます。元々私にはそんな友達はいないというのもありますが、そうやって切り捨てられなくて「大人」になりきれないままの千種というのが可愛いのです。

都丸との腐れ縁には賛否両論あると思いますが(苦笑)、私は同世代の女の子にオススメしたい一冊です。
Author: chiro
か行の作家(壁井ユカコ) | permalink | comments(2) | trackbacks(4)
 
 

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コメント:
こんばんは。
わたしはこの作品をあまり楽しく読めなかった、読んでなかったんですけれど、chiroさんの感想読んで初めて「いい話だったんだ…」と思いました。
なんだか素直に読めないビョーキにかかってるみたいなので、早く脱したいです。
comment by: まみみ | 2007/11/25 11:17 PM
>まみみさん
こんにちは。

私も最初は馴染めなかったんですけど、中盤になったら結構面白かったし、良かったですよ。
まぁ都丸といづみがズルズル続く様子は微妙な感じはありましたけど、仕方ないかな〜みたいな(苦笑)。
そういうのも含めて青春ビフォーアフターとしては面白かったです。
私は「エンドロールまであと、」が素直に読めませんでした(笑)。
comment by: chiro | 2007/11/26 12:24 PM
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イチゴミルクビターデイズ壁井 ユカコ メディアワークス 2007-09売り上げランキング : 81459Amazonで詳しく見る by G-Tools 内容説明 しがないOL3年目。そんなある日、高校時代の親友であり魔性の美少女であり、「強盗殺人犯」だと言う鞠子が、3千万の札束と紫色
trackback by: 今日何読んだ?どうだった?? | 2007/11/25 11:16 PM
bk1 「人を殺したの」 「……え?」  わたしは返す言葉を失って彼女の顔を見返した。 「人を殺して、お金を盗んだの。だから千種、しばらくかくまってくれるわよね?」 憧れを抱いて上京してきたはずなのに、東京
trackback by: 気ままわがまま読書日記 | 2007/12/19 10:18 PM
“人を殺して、お金を盗んだの。  だから千種、しばらくかくまってくれるわよね?”  衝撃的なセリフからこの物語は生まれる。    OLやってる主人公・千種の家に転がり込んできたのは、高校生のときの友だち・鞠子。  3000万円の札束を持って現われるのです。  
trackback by: 本うらら | 2008/01/26 11:07 PM
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trackback by: - | 2010/09/27 5:22 PM