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「太陽の塔」森見登美彦


「太陽の塔」
森見 登美彦
新潮社
2003-12-19
勝手に評価:★★★☆☆

 現役京大生の超新星現る!ロマンチックでセンチメンタルな妄想小説の誕生!!
 「美点満載、文句なしの快作!」「一番強烈で一番笑いこけた作品。庄司薫、遠藤周作といった青春文学の懐かしい味わい」と選考会で大絶賛。――何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。なぜなら私が間違っているはずがないからだ、と宣う、ひねくれた学生の日々を描く笑撃デビュー作。膨らみきった妄想が飛び跳ねる!(新潮社HPより)

ボリュームは普通か少ないくらいなんですけど、なかなか進めない…。私が女だからかもしれません。これは男性だったら嵌る作品なんだろうなぁと思います。

第15回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作です。ファンタジーを通り越して、引用文にもある通り、妄想炸裂な作品でした(笑)。

簡単に言ってしまえば青春物語なんだろうと思いますが、その一言では語りつくせない濃厚な内容でした…。最初に「夜は短し歩けよ乙女」でモリミ氏と出会って、この最初の作品を読むことにしたのですが…。あれの比じゃないなぁと感じました(苦笑)。

ファンタジーという枠で考えるならば、「夜は短し〜」の方が断然勝っています(当たり前)が、「ファンタジー=妄想」という方程式を基にすると、この作品の方が遥かに上です。これはまさに妄想小説だと言えるでしょう(しつこい)。少年漫画系の暑苦しく濃い希望と挫折の数々が繰り広げられるんですが、全ての描写が克明に記されていて、漫画よりも粘着力が強いです(笑)。

モリミ氏は、「ロボット歩行をして、好奇心旺盛で、髪を短く切り揃えた小柄な女性」が好きなんでしょうか。きっとそうに違いありません。「夜は短し〜」も、この作品も、上記の特徴を持った女の子が主人公の憧れとなっています。確かに女である私の視点から見ても面白くて可愛く、かなり魅力的ではありますが、こうも全く同じ女性像を持ってくるなんて…と少々呆れてしまいました。まぁ、この事をここでぼやくのは順番的にかなり間違っていますけどね。

それに、キャラの設定が薄くて主要キャラ以外の区別がつかないことがありましたし、強烈な印象を与えるはずの植村譲というキャラも2,3度しか出てこなくて、かなりもったいない感じもありました。

それと、最後のオチに少し無理を感じました。主人公の性格がわりと揺れやすいものだったので、ああいう終わり方もありかな〜とは思いますが、いきなり持ってきた感があってスッキリしませんでした。それまでの勢いも中途半端に減速してしまって、もったいないです。

…と、まぁ、かなりマイナス点を言いましたが、全体的には面白かったです。猛烈な妄想という世界も含めて、男同士のネチネチした喧嘩的やりとりとか、言い合いとか、クリスマスを逆恨みして決起するとか、等々。一つ一つのエピソードはとても良かったです。デビュー作で、このインパクトはやっぱり凄いです。
Author: chiro
ま行の作家(森見登美彦) | permalink | comments(9) | trackbacks(8)
 
 

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コメント:
chiroさん、こんばんは。
濃厚な妄想が炸裂してましたね。
“漫画よりも粘着力が強いです”、に笑いました。
男同士の若さゆえのばかばかしさがすごく面白かったですね。
「新釈走れメロス他四篇」は森見さんの笑いとテクニックが堪能できますよ。
comment by: 藍色 | 2007/07/30 12:26 AM
>藍色さん
おはようございます。
「新釈〜」は、図書館で予約してます♪
情報ありがとうございます!
楽しみです☆
comment by: chiro | 2007/07/30 8:10 AM
chiroさん、こんにちは!
この妄想ぶり、男臭さぶりに見事にはまった女です(笑)
水尾さん研究に関しては「ちょっとやばいんでは…」と引いてましたがいつの間にか身を乗り出して読んでいました。この引力はさすが森見さんです。
ちょっとホロリとさせられたラストはやりきれない思いでいっぱいでした…。
comment by: リサ | 2007/07/30 3:00 PM
>リサさん
こんばんは♪

引力は凄く感じましたが、私はイマイチ乗り切れませんでした(苦笑)。
でも、癖のある文章といい、独特の世界観といい、やっぱりモリミ氏は面白いですね!
comment by: chiro | 2007/07/30 9:02 PM
男性じゃないのに嵌ったわたしです(笑)しかもあろうことか、京大卒の友達(女性)にも薦めてしまった経歴まで持ってます。そうか…そんな万人受けしないとは思ってませんでした…個人的に大変おもしろく読んだので^^

モリミー氏の作品は、どれもこれもおもしろいのに映像化とか漫画化が難しそうな作品が多いなと思ったりもします。ほんとにおもしろいんですけれどねぇ。
comment by: まみみ | 2007/08/01 11:51 PM
>まみみさん
京大卒の女性にススメたんですか(笑)。
それほど嵌ったということなんですねぇ。
羨ましいです☆
私はあの妄想力にちょっとついていけなかったので(苦笑)。
あれが人並みだったら映像化できるんでしょうけどねぇ。
comment by: chiro | 2007/08/02 7:24 AM
お元気ですか?
唯一記事にしていなかった本書を、やっと再読しました。
やっぱ面白い本は、何度読んでも面白いっすね。
comment by: しんちゃん | 2007/10/15 5:45 PM
>しんちゃん
お久しぶりです!!
今月初めに風邪をひいてダウンして、中旬から生活環境がバタバタ変わっていたもので・・・。
読書もおろそかに・・・。
コメントいただけて、とても嬉しいです!

この作品、私は再読できるかなぁ(笑)。
まだモリミ作品で読みかけ・未読があるので、予定はないですけど。
再読したら評価上がるかもしれませんね。
comment by: chiro | 2007/10/26 12:14 PM
管理者の承認待ちコメントです。
comment by: - | 2011/05/26 9:57 AM
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装画は影山徹。装幀は新潮社装幀室。 2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。主な作品「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「きつねのはなし」「新釈走れメロス他四篇」など。 主人
trackback by: 粋な提案 | 2007/07/30 12:27 AM
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太陽の塔posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.13森見 登美彦著新潮社 (2003.12)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
trackback by: 今日何読んだ?どうだった?? | 2007/08/01 11:47 PM
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trackback by: - | 2011/07/26 10:52 AM