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「マージナル」神崎紫電

「マージナル」
神崎 紫電
小学館
2007-05-24

勝手に評価:★★★★☆

殺人や拷問を愛好する異端者たちが集うアンダーグラウンド・サイトの管理人である月森高校二年生の摩弥京也は、巷を騒がす連続殺人犯と偶然ネット上で知り合った。彼からとある惨殺画像を受け取った京也は、その死体がクラスメイト南雲小百合のものだと気づき、結果、犯人から狙われることになる。小百合の葬式で彼女の妹・南雲御笠と出会った京也は、御笠に犯人捜しを手伝わせて欲しいと請われ、二人は事件を独自に調べ始める……。圧倒的な筆力で送る新感覚サイコ・サスペンス!第一回小学館ライトノベル大賞・大賞受賞作。(カバーより)

「ダ・ヴィンチ」で紹介されていて、表紙に惹かれて購入した。サイコものなんて滅多に読まないので、最初は気持ち悪さに襲われて歯を食いしばりながら(結構ホント)読んでいた。が、2章で京也と御笠が急接近した辺りから、坂を転がり落ちるような勢いで嵌っていった。

タイトルにもされている「マージナル」というのは「正常と異常の境界に立つ人間」という意味だ。そして、境界の向こう側にいる者は「オーバーライン」という。この物語は、マージナル VS. オーバーラインの闘いを描いたものでもあり、マージナルが恋をして、人間らしさを徐々に取り戻そうとするものでもある。

基本的に京也に共感できる部分は少ない。それが当たり前だと思う。しかし、御笠に共感することも難しいだろう。京也がマージナルに至った経緯を知り、京也の異常さを目の当たりにした時、彼女は確かに恐怖し、嫌悪したはずだ。しかし、彼が深手を負い御笠に助けを求めると、彼女は迷わず彼を救い出した。京也のような異常者にとって、彼女のような存在は貴重だろうと思う。彼の異常さを「病気」として捉えることができるからだ。普通の人間ならば、そんな判断を下す余裕も優しさも持ち合わせていないだろう。

御笠に出会ったことで、恋愛感情を経験し、友人もできる京也。天然キャラ御笠との漫才にもにたやり取りに京也の人間らしさを感じ、この暗い物語の雰囲気を和らげている。これがまた絶妙で、理解できなかった京也という人間像が少しずつ少年として身近になってくる。そうなることで、一層物語にのめり込んでいくことになった。

残念だったのは、文章の所々に不備や拙さが見られるところ。気が抜けず、スピード感ある展開なのに、それで少々気分が萎えてしまう…。

とは言いつつも、ラストの二人の会話は良かったし、全体的に勢いがあった。アニメにありそうな展開と結末だったとは思うが、私はこういう希望が持てるものは好きだ。本格的なサイコものを次作に期待したい。
Author: chiro
か行の作家(その他) | permalink | comments(4) | trackbacks(2)
 
 

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コメント:
けっこうよかったみたいですね〜。
わたしはまだ、これ買ったっきり読んでません。
買っておいてなんですけど、暗かったらやだなーって思っているのです。
うーむ、この際ちょっと読んでみるか。
comment by: 未衣名 | 2007/07/16 1:35 PM
>未衣名さん
私も買ってすぐに読んだわけじゃないんですけどね(笑)。
暗いとこはやっぱり暗いですけど、ギャグも入ってるし、ラブもあったし、わりと読みやすかったですよ〜。
comment by: chiro | 2007/07/16 6:30 PM
TBありがとうございました。
chiroさんの感想読んで読むことにしました〜。
読んでよかった(>_<)
comment by: 未衣名 | 2008/01/24 11:33 PM
>未衣名さん
いえいえ、こちらこそTBありがとうございました☆
私の拙い文章で決めてもらえるなんて嬉しいです!

倉吹ともえさんは新作出てますけど、神崎さんはなかなか出ませんねぇ。
結構楽しみにしてるんですが。
comment by: chiro | 2008/01/25 12:01 PM
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残虐な拷問法、猟奇的殺人、死体の画像などに興味を持つものが集まる会員制のサイトを運営している摩弥京也は、会員になりたいとアクセスしてきた人間が巷を騒がす連続殺人犯であることを突き止めてしまった。そのこ...
trackback by: booklines.net | 2007/07/13 8:51 PM
“正常と異常の境界に立つ人間のことです。  人を殺す禁忌のケダモノになりたがり、さりとて人であることを諦めきれない臆病者。  我々のことですよ。”  ↑っていうのがマージナルの意味。  ガガガ大賞受賞作とだけあって面白かったです。    というもの、自分
trackback by: 本うらら | 2008/01/24 11:25 PM