<< 「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎*prev
「となり町戦争」三崎亜記 >>*next
 

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -
 
 

「陰日向に咲く」劇団ひとり

「陰日向に咲く」
劇団ひとり
幻冬舎
2006-01
勝手に評価:★★★★☆

ホームレスを切望するサラリーマン、老婆を騙そうとする小心ギャンブラーら、落ちこぼれたちの純真を愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説。(幻冬舎HPより)

お笑い芸人として知られる劇団ひとりの処女小説。今年の本屋大賞にノミネートされました。お笑いとしての本じゃなくて、本格的な小説です。本格的っていうのもおかしいけど(笑)。

出版されて話題になり始めた頃は、中身じゃなくて話題性で売れてるのだと思ってましたが、本屋大賞にノミネートされたのを知って、あぁ本当にウケてるんだと知りました。というわけで、私も一読してみる気になりました。

道草
別にこれといって劇的な展開があるわけではありませんが、順番に淡々と主人公がホームレスに出会い、憧れ、ホームレスになって、止めるまでが描かれてます。おかげで最後のオチには呆然としてしまいました。あれだけ盛り上がっておいて、そういうことか…みたいな。王道のオチといってしまえばそれまでなんですが、私はこういうの好きです。それにしても、この主人公独り言多すぎ(笑)。

拝啓、僕のアイドル様
これも淡々と語られていきます。内容はアイドルへの愛情という濃いネタなんだけど、淡々としてたのでサラッと読めました。これにも最後にオチがあるわけなんですけど、前の話よりもびっくりしました。あ〜なるほど、と納得もしました。少し主人公を不憫に思いましたが、逆にアイドルへの恋が実らなくて本人には良かったのかなという気がします。前のホームレスがものすごい出世してて、笑えました。すごい変わりすぎ(笑)。

ピンボケな私
この本のそれぞれの主人公って基本的に不器用すぎて馬鹿なんですけど、この話の主人公もちょっとあり得なさそうな不器用さ(苦笑)。男1人ならともかく、2人かよ!っていう…。まぁここではネタバレになるし、これ以上は何も言いませんが。最後にミキと仲直りというか、改めて仲良くなるシーンは好きですけどね。ミキの正体が分かるっていうオチは面白かったです。ホームレスとか駅員さんが出てくるので、小ネタ的にも面白いです。

Over run
この主人公みたいにギャンブル大好きな人ってたくさんいると思うんですが、これほど上手いことギャンブルを止めようと思える出来事が続く人はそんないないんじゃないかと思います。この話が一番劇的な展開で、好きです。最後に元ホームレスが出てきたのにはびっくりしました。これって時系列的にはどうなってるんでしょうか?この時点だと、お婆さんも謎めいていて、かなり面白い展開になってきてます。

鳴き砂を歩く犬
今まで少しずつシーンがかぶったり、前の登場人物が出てきたりと続いてたんですが、ここにきて一見すると全く繋がりがなくなった感じになります。この順番のままだと、ある意味単品の色が濃いかなと思います。主人公二人が出会って、また別れるまでが描かれてるんですが、これだけ読むと少し物足りないです。前のが劇的だったこともあって(笑)。でも、この話は次の数ページのための最後の大切なステップなんだと思います。すごく小説的な展開で、青春ドラマみたいです。シーンごとの情景も浮かんでくるようで面白いです。


最後の数ページですが…やられました。この本が売れている、話題になって映画化までされる理由を肌身で感じました。誰かが「処女作としては上手く出来過ぎている」みたいなことを言ってた気がしますが、なるほどその通りだと納得しました。構成といい、オチの感じといい、私はこれはちゃんと小説(また失礼な)だと思います。ただオチが王道だし、話の進め方が淡々としているのが多かったので、そこがもったいなくて残念だったと思います。とはいえ、ぜひ次回作を読みたい作家の一人であることに変わりはありません(偉そう)。
Author: chiro
か行の作家(その他) | permalink | comments(5) | trackbacks(5)
 
 

スポンサーサイト

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -
 
 
コメント:
こんばんは。
どの物語もオチがきっちりあって、さすがお笑い芸人さんって思いました。
映画化されるんですね!
comment by: なな | 2007/07/05 11:48 PM
こんにちは!
私未だに「Over run」では泣けてしまいます…。
あちこちの場で彼の才能を見るにつけ、改めてすごいなぁ、と思います。
映画化!楽しみですね♪chiroさん情報ありがとうです〜。
comment by: リサ | 2007/07/06 4:17 PM
>ななさん
確かにお笑いっぽいオチの付け方かな〜と思いました。
絶妙ですよね!
映画の公式HPできてましたよ〜。

http://kage-hinata.jp/


>リサさん
マルチな才能ってああいう方を言うんでしょうねぇ。
すごいですよね。
映画楽しみですね〜。
オリジナルキャラも入ったりして、多少は原作を変えるみたいですけど。
comment by: chiro | 2007/07/07 1:58 PM
 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。

 構成や展開は処女作とは思えなくしっかりしてましたね。
 映画も私の好きな宮崎あおいちゃん&岡田准一クンなので、観てみようかな、と思ってます。
comment by: miyukichi | 2008/01/14 5:28 PM
>miyukichiさん
こんにちは。
こちらこそTBありがとうございました。

私も映画が楽しみです。
キャスト的にも内容的にも面白そう。
本とはまた違った結末になりそうな気がします。
comment by: chiro | 2008/01/15 11:51 AM
コメントを書く:






トラックバック URL:
http://chiro-address.jugem.jp/trackback/60
トラックバック:
陰日向に咲く 劇団ひとり 5つの短編集。 実は私劇団ひとりがお笑いやっているのを見た事がないんです。お笑い好きだからテレビは沢山見ているはずなのに、なぜかあたらない。唯一喋ってる(演じてる)劇団ひとりさんを見たのがライフカードのCM。 出てく
trackback by: ナナメモ | 2007/07/05 11:49 PM
一編目の「道草」。普段の生活が嫌になって浮浪者にあこがれる人の物語。ありえそうな感じで面白かったけど、普通の展開だったなあと思ってたら、ラストで驚かされました。なんてうまい皮肉なんだと、思わずニヤリと...
trackback by: booklines.net | 2007/07/06 10:29 AM
陰日向に咲く 劇団ひとり/幻冬舎 「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」ほか全5篇を収録。落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説集。 何度感嘆の声を上げたことだろう。芸人としての劇団ひとりは独特な世界を持って
trackback by: ひなたでゆるり | 2007/07/06 4:16 PM
お笑い芸人・劇団ひとり、衝撃の小説デビュー! 「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「...
trackback by: 本を読もう?U | 2007/09/20 8:10 AM
 劇団ひとり:著 『陰日向に咲く』  陰日向に咲く劇団ひとり幻冬舎このアイテムの詳細を見る  去年夏に予約してから、  1年を経てようやく回ってきましたー!  まず、表紙見て吹き出しました。  なんだよ、これ、作家自らの肖像写真かよっ!!(笑)  こんな
trackback by: miyukichin’mu*me*mo* | 2008/01/14 5:25 PM