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「獣の奏者 1 闘蛇編」上橋菜穂子

獣の奏者 I 闘蛇編獣の奏者 I 闘蛇編
上橋菜穂子
講談社
2006年11月21日
勝手に評価:★★★★★

獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに……。(カバーより)

とても強い引力を感じる本でした。読み始めたら止まらないです。

ファンタジーです。舞台は外国っぽい雰囲気があるんですが、翻訳モノより断然読みやすいです。和製ハリー・ポッターみたいな。でも、学校が主な舞台ではないんですけどね(苦笑)。一人の少女の成長物語だと思います。

でも、物語後半からファンタジーっぽさが薄くなります。蜂飼いのジョウンに出会って蜂や家畜を育てること。王獣保護場の学校で王獣を観察すること。それぞれのエピソードはまるで「ファーブル昆虫記」や動物の生態系を追うドキュメンタリーのようでした。ものすごく詳しい知識が記述されているわけじゃないんですが、人と獣はどう関っていくのがいいのか、という壮大なテーマが感じられました。「動物」ではなくて「獣」と表現されていることが、よりテーマの壮大さを濃くさせています。そして、そのテーマに対してエリンは正面から向き合っていきます。それが自分自身の存在の答えにもなると信じて。

彼女の母親が獣ノ医術師として高く才能を評価されていたこと、その母親が指笛ができるという点から、彼女も特別な「力」を持っていると思えます。むしろ母親以上なんじゃないか、と私は密かに期待しています(笑)。彼女の知識に対する貪欲さ、それとは反対の聡明さや勘の鋭さには目を見張るものがあります。こういう特別さはハリー・ポッターとも共通しますが、一つだけ決定的に違う所があります。それは「過去を知っている」ということです。ハリー・ポッターはハグリッドが現れるまで自分は普通の(もしくは普通よりほんの少しだけ変わった)人間だと思っていました。エリンは違います。母親が特別な種族の生まれであるということ。自分が穢れていると周囲に思われていること。そして、母親がどんな風に命がけで自分を守ったのかということ。全てを知った上で彼女は生きることを選び、自分を取り巻く世界に立ち向かおうとしています。

すごく気になります、この続き。かなりワクワク・ドキドキします。オススメです。
Author: chiro
あ行の作家(その他) | permalink | comments(5) | trackbacks(3)
 
 

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コメント:
『子供服リストを作ろう!』ブログをやっているものです。
最近はじめたばかりなので、よく分からずにもしかしたらトラックバックを送ってしまったかもしれません。もしそうだったらスミマセン。
あらためて、相互リンクをお願いします。
私のブログはエッセイ的な要素が強いものです。どうぞよろしく。
comment by: moniguri | 2007/03/26 8:22 AM
こんにちわ。
読書好きな人がいて嬉しいです。

児童文学者ですね、あまり読まないジャンルなので、本のことはわかりません。
おそらく生涯読まないと思います。

わたしはすごく読むのが疾くて、斜め読みもいいとこです。そのせいか内容もすぐに忘れてしまいます。
ドラマ化されている作品はひと通り読むようにしています。少女コミックでも読みます。

人気の調査をしているようなものです。なにを描けば売れるのか、評価されるのか、そんな感じです。

300冊くらいまでは真剣に読んでいましたが、そのあとはスピードだけで流しています。
これといった真新しい作品に出会うことが少なくなりました。

今はドラマの研究をして新鮮さを探しています。
映像は文章を越えるものがあるので、少し狡いようにも感じますが、それを表現したいと思うものがあります。

積読は常に十冊程度あります。
年に一冊いいのがあれば嬉しく思います。それほど出会いが少なくなりました。

たくさん読むと描きたくなりますね。
comment by: gudden | 2007/03/26 9:51 AM
>moniguriさん
はじめまして。
トラックバックは入っていませんので、大丈夫ですよ。
私のブログは本のことしか書いてないですが、それでよろしければ相互リンクさせていただきます。

>guddenさん
私は最近ドラマをほとんど見ていません(苦笑)。
一時期は全部見る勢いでビデオ録ったりしてましたが、せいぜいNHKの朝ドラか大河しか見ません。
上橋氏の本は児童書だからというより、話題本だったので読んでいます。
面白い本、オススメがありましたら、ぜひお知らせくださいね。
あと、ドラマも(笑)。
comment by: chiro | 2007/03/26 10:57 AM
お久しぶりです!
今年もよろしくお願いいたします〜。

去年一年を思い返すと、
自分の中では、この作品がかなり衝撃的なものでした。
今年も、こんな出会いを期待して、
本読みに励んでいこうと思っています。
comment by: くろ | 2008/01/06 12:52 AM
>くろさん
お久しぶりです☆
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。

私は辻村さんの作品が衝撃的でした。
この作品もインパクトがありました。
今年も一作品でも多く良い出会いがあることを期待したいですね♪
comment by: chiro | 2008/01/06 9:44 AM
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獣の奏者 I 闘蛇編 上橋 菜穂子 / 講談社(2006/11/21) Amazonランキング:1681位 Amazonおすすめ度: 完璧じゃない主人公 久々にすごいファンタジーを読みました!! この本は、凄い! Amazonで詳細を見る Booklogでレビューを見る by Booklog
trackback by: ちょっと寄り道して。 | 2007/08/28 1:39 PM
   うわー、面白かった!! 児童書のくくりにはなっていますが、大人の私が読んでもものすごく面白くて、あーこれは10歳の自分に読ませたい!と心底思いました。(なんで10歳かというと、主人公の少女が10歳のところから物語が始まるから、なのです)10歳のわたしも、2
trackback by: にゃんこと歩く。-読書日記- | 2008/01/06 12:49 AM
「エリン、おかあさんがこれからすることを、けっしてまねしてはいけないよ。おかあさんは、大罪を犯すのだから」(本文より)  上橋さんのお話は、どんなに分厚い本でも気がつくと読み終わっているということが多いです。この本もそう。作られたお話の世界じゃなく、
trackback by: 今夜、地球の裏側で | 2008/01/07 5:21 PM